岩手県・浄法寺町へ…④二戸市立<浄法寺歴史民俗博物館>へ。人間の営みの痕跡にどぎまぎ

 今回の旅の目的は<浄法寺歴史民俗博物館>へ行くこと。正直、急に思い立った目的地です。何が展示されているかも知らず、しいて言えばインターネットの画像に写っていた博物館の建物に惹かれたからです。
 <浄法寺歴史民俗博物館>へ行くには、二戸駅から<浄法寺>行きのバスに約30分乗り<天台寺>で下車。そこから川(安比川)や林の風景を堪能しながら15分ほど歩くと到着します。姐さんはラッキーなことにお宿の方に車で送っていただきました。
 色鮮やかな山桜とは対照的に、博物館は山里にひっそりと佇む庵のよう。庵に似合っているような、いないような真っ赤な欄(おばしま)に導かれて入ってみると、正面にはダイコンを米に入れて炊くときに、賽の目に切る道具の糧切(かできり)や麻の野良着など、自然環境の厳しいこの地で生きていくための工夫が感じられる用具が展示されていました。
 そのほか、いちばんスペースを割いているのは浄法寺漆に関する展示です。そして驚かされたのは漆関係の展示場とは反対側には、<捕縄雛形>と<コナサセバサマ>の道具があったことです。この2つはたぶんここだけに残っている貴重な資料です。
 <捕縄雛形>とは、罪人を縛るいろいろな方法を人形を使って示したもの。どちらかと言うと、縛り方より解き方に興味ありますよね?
 正直言って、姐さんは<縛り>は縛りでも金縛りに合いやすいタイプの人間です。忘れもしませんJICAボランティア時代、休暇を利用してアルゼンチンの最南端、南極にいちばいん近い町のウシュアイアにある刑務所跡を訪ねたとき、突然金縛りのような状態になり、中のすべてを見ることができませんでした。それ以来、博物館を敬遠していた自分がいます。
 <浄法寺歴史民俗博物館>の<捕縄雛形>を見たときに「ちょっと危ないかな」って、自分の精神状態を心配してしまいました。学芸員の方が一生懸命説明してくださっていましたが、あのウッシュアイアの刑務所の展示を思い出してしまったのかも知れません。
 <コナサセバサマ>とは<産婆>さんのこと。今はほとんどが病院で助産婦さんや医師によって出産しますが、昭和30年代までは女性たちは自宅で産婆さんによって出産してきました。その出産時(当時は座っての分娩)に使った道具、たとえば力むために口にくわえるもの、掴まるヒモ、ヘソノウ切り、数珠などです。飢饉による悲しい出来事もありました。そんなこの世では生きられなかった子どもたちは、「おもどりさま」と呼ばれていたとか。
 この博物館に展示されている貴重な<コナサセバサマ>の道具一式は、助産婦さんの時代になったころ<天台寺>のお地蔵様の下に納められていたそうです。きっと<コナサセバサマ>が祈りながら、納めたのでしょうね。
 ひとつの道具にまつわるたくさんのエピソード。厳しく、悲しい歴史ですが、その時代を生きていた人たちの<声>が聞こえてくるようでした。たまたま当日いらした学芸員の方に恵まれ、展示物を見ていただけではわからないことを教えていただきました。学芸員の方は、この地を愛し、探求心旺盛で、まるで道具を使っていた時代の人々の<声>を代弁しているかのようでした。
 入館料は大人ひとり210円。冬季の12月1日~3月31日は休館。

画像

(画像上)あまり訪れる人がいないような、静かな里の博物館。でも行ってよかった。博物館を囲む<天台寺>のお地蔵様のお導きかも。感謝

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この記事へのコメント

ビオレタ
2013年05月28日 16:43
おもしろいねぇ、私も似たようなこと同じ時期に考えたかも?
舞鶴で寺の住職から子育て子安地蔵の話を聞いていました。
この地蔵を水子地蔵と思う人もいるけどこれは違う。
あれは商魂たくましい寺がやってることとか?

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