岩手県・浄法寺町へ…⑤奈良時代に開山。東北の片辺に脈々と続く聖地は、詣り納めの霊場<天台寺>

 <浄法寺歴史民俗資料館>に隣り合わせるように、天台寺本堂(観音堂)への参道入口があります。入口には大きな白木作りの鳥居。この鳥居はまだ新しく、ここ数年のあいだに作られたそうです。
 天台寺は今では、瀬戸内寂聴師が住職を務めた寺として有名ですが、寺伝によれば奈良時代に聖武天皇の命で行基菩薩が開山したとか。それはともかく発掘調査によって平安時代にはすでに存在したことは事実。八つの峰、八つの谷からなるこの山を<八葉山>と呼び、<八葉山 天台寺>が正式な名称です。
 都から遠く離れた東北のしかも片辺(かたほとり)の地に、なぜ建てられたのか謎が多いですが、北奥の観音霊場として南部藩主や庶民から深い信仰を集めてきたことは確かです。
 古刹ながら、いや古刹がゆえに明治初期の廃仏毀釈(はいぶつきしゃく)により、たくさんの仏像やお堂が破壊され、また戦後の信じがたい杉伐採事件によって、寺院の荒廃は目を覆うばかりだったそうですが、現在は保存復興へ一歩ずつ歩み、失われた月日を取り戻しつつあるようです。
 広大な荒涼たる杉林。陽は木々でさえぎられ冷気さえ感じますが、その冷気には御山(おやま)ならこその木の精がいっぱい含まれているようでした。
 鳥居から参道を登り、境内でゆっくり拝観して、往復徒歩約1時間。文化保存協力金300円。
 六月になると寂聴さんの京都の庵から株分けされた紫陽花が、参道を埋め尽くすとか。

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(画像上)大きな鳥居の向こうは本堂に続く参道。本堂までは階段が約300段。鳥居のわきに杖が用意されている。また本堂近くの数十段は手すりがついている。休み、休みしながら、何とか登り切った
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(画像上)鳥居をくぐると老木の桂が目につく。この桂の根本から清水が湧き出ていることから、天台寺は桂泉観音とも呼ばれるようになった。湧き水は<桂清水>と呼ばれ、古の昔からこの清水は霊水と崇められてきた
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(画像上)参道にも、本堂のまわりにもたくさんのお地蔵さんが並んでいる。何ともいえないいいお顔。思わず手を合わせてしまいます。切り株にちょこんと鎮座しているお地蔵さんもちらほらと。檀家さんからの寄進か、お揃いの首飾りをしているお地蔵さんも多かった
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(画像上)本堂には山中の桂の木を刻んだ聖観音菩薩がご本尊に。糠部三十三所、奥州三十三所の詣り納めの観音霊場でもある

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この記事へのコメント

徘徊
2013年05月27日 14:29
岩手県浄法寺町という名前初めて聞きました。岩手と言っても盛岡か岩手山くらいしか知らないから。確かに山深い古寺には何とも言えない霊力を感じます。それを感じないひとは、都会の空気に汚されて、感度が鈍っているからだ。毎朝公園の緑陰で朝の空気を吸っているだけで体がのびのびしてくるもの。東京で会いましょう。連絡します。

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